観客席の名(迷)監督 -続き-
http://lovetrinita.blogspot.com/2007/04/blog-post_08.html
実はサッカーにはあんまし関係しなかったりする。
コメントをUJさんから頂いて、ちいと嬉しくなったりしたもんだから昔の話を....。
トラバ先のチュー新井さんという方が書かれていたのだが...
『かつての日本のプロ野球では、気の利いた「野次」を飛ばすオヤジがいたのですが、ドーム球場が多くなってきて、グラウンドと観客席が遠くなるにつれて、聞いているみんなが笑える「野次」が少なくなってきたようです。』
むむむ至極納得。僕は今でこそ生まれ故郷の大分に戻ってきているのだが、幼少の砌に5年、会社生活で12年程関西に住んでいた。そりゃもう大阪人の突っ込みやボケのセンスにはただただ感動するだけである。実際に幼稚園児の時分から突っ込みとボケの区別が始まるぐらいだから筋金入りなわけである。
当然、スポーツ観戦の際の選手の励まし方(すごくお上品な表現ですねこれは)なんて.....書けない内容満載である。相手選手への悪意を持った野次は、本当に「これでもかっ!」っちゅうくらいに心のトラウマを突いてくる。しかしこれは言ってるおっさん(小学生ですら凄い事言いますけどね)が自己満足なだけで廻りは笑っていない。大阪で何が一番価値があるかというと.....そういかに「笑わせたか」につきるのである。まわりが笑う野次ほど賞賛の度合いが高いのである(これ本当)。
残念なことに大阪ドームは南海球場と違い、ドーム特有のお洒落さ具合が、本来近鉄が持っていた「良い意味での野蛮さ」を打ち消してしまったし、甲子園なんぞはあの観衆が毎回入っているので歓声で逆に野次が聞こえない。僕の観戦経験で最高な野次環境だったのが、今は無き「日生球場」である。大阪の中心部から数駅でいける立地の良さと、まるで地方の高校野球県予選で使われそうなくらいのキャパ。それでいてカードは「日ハムvs近鉄」。当時の不人気カード大本命クラスだった。あまりにも少ない観衆に、外野席でビール売ってる売り子の声が聞こえる程(事実)だった。まぁ外野席の声が聞こえるくらいなのだから当然の如く、選手の声や内野をはさんだ向こう側内野席のおっさんの野次も聞こえる。ビールをしこたま飲んでメートルもかなりあがっているのだろう(メートルが上がるという表現はもはや死後かしら)、そのうちに見事な1塁側と3塁側のおっさん同士で野次の掛け合い(コラボレーション?)が始まった。
「今日は大石大二郎調子悪いのうぅ~。」(3塁側)
「すまんっ。昨日藤井寺(←近鉄の本拠地)で飲みすぎてん。」(1塁側)
「○○は高校の後輩やろ、面倒見たれや。」(違うおっさん)
「○○は男前やから、ホステス取られるからいややねんてぇ。」
「それで一人で行きよったんかいな。」
「そやー。そんでニッポンハム食いすぎて、今日は調子が悪い、ほんとすまん。」
ほんと苦笑しっぱなしだった。
近鉄がピンチの時、日本語の判らぬ外国人1塁手「トレーバー」を残し内野手がマウンドに集まって何やら相談してた時、
「あかんあかん、お前ら頭悪いんやから相談しても無駄無駄~!」
「飲みいく相談かぁ?今日は○○呼んだれよぉ。」
「可哀想やからトレーバーもよせたってぇ(仲間に入れてやれ)」
↑これが一番ツボに入った
本当に良き時代の話である。
【追記】
万博競技場で「ガンバvsレイソル」を観に行った事があるのだが、あまり大阪って感じがしなかった(全般的にお行儀がよかったのである)。僕はこの現状が関西でいまひとつサッカーが盛り上がらない一因に思えてしょうがないのである。
UJさんコメントありがとう!