何かが足りずに未完成で終了【J1参入プレーオフ:vsロアッソ熊本】
プレーオフの初戦で、僕らの元にはドラゴンボールが7個集まっていなかった。その7個目は、也真人や長沢の離脱で失ってしまったのかも知れないし、案外、最終節の沖縄で落っこちていたかもしれないけど、とにかく僕らの手元には7個のドラゴンボールは集まっていなかった。そして願いは叶わず来シーズンもまたJ2を舞台を冒険することになったんだ。
若い子からすると、ある程度上の層はなんでもドラゴンボールに例えがちな点が忌避されるらしい。時代はドラゴンボールじゃないんだよと、もう「鬼滅の刃」や「呪術会戦」「チェンソーマン」の時代なんだよと。すみません「ドラゴンボール」世代じゃなく「Dr.スランプ」世代の管理人こと鳥脳です。
さてJ1参入プレーオフの話。
Gotoトラベルの影響か、熊本のホテルが軒並み高かったので、前夜祭を諦め日帰り移動。始発のさくらに乗って熊本着が7:00。夜明け前の山々の稜線が奇麗でごわした。
熊本駅からはカーシェアでえがお健康スタまで移動。なんとか駐車場も確保。有事の際にパーク&ライドの駐車場も押さえてはおりました。
さて移動中の新幹線の中からSNS等で、開門と同時に100名近い列と聞き、待機列の心配をするも仲間が確保してくれており、待機列の折り返し地点を確保。流石に頭のおかしいトリサポ(通称アタオカ)。ちなみに前列に並ぶトリサポの方が雑談で、「高専祭やってた」「高専祭って地味」「高専生ってドロップアウトも多い」等の話題を繰り広げており、その昔高専生で高専祭の実行委員会にいた管理人としては「すまんのぉ」の気持ちで一杯でした。
さて10:00入場。とても良い位置に座席を確保。試合前は最年長パイフラと最年少パイフラの記念撮影なんかを眺め、ほんわかする。あの最年少パイフラ、幼稚園の頃からフラッグ振ってたんやで、と何故か父親目線でうんうん言ってた。
スタートダッシュで試合前のスタグルは赤牛丼。大変美味しゅうございました。ただどのお店も長蛇の列で、他の品を購入する気力は湧きませんでした。
ゴール裏の声出し/声出し禁止ともほぼ満員で、フラッグやコレオボードでとても良い雰囲気だった。僕はこのプレーオフがアウェイである意味良かったと思ってて、ホームだと普通に頭のおかしい人がゴール裏に集うけど、アウェイのこういう状況だとゴール裏は「選りすぐりの頭のおかしい人」が密集するのでとても雰囲気を作りやすいと思っていたがその通り。熱量と勢いのあるゴール裏だったと思う。トリサポのフラッグとコレオに、ロアッソサポからも思わず拍手が漏れる。
トリニータの布陣は以下の通り。
プレーオフ用の闘い方をトリニータは選択。ワントップに伊佐。インテリオールに中川とノム、左・朝陽に右・健太。ダブルボランチに若武者弓場と保田。DFラインは左から三竿/ペレイラ/小出。GKは高木駿復活。ベンチスタートは吉田舜、上夷、藤本、ネット、新太、長沢、夢生。
もうこの時点でトリニータの戦術がどうするのか理解できる布陣。
対するロアッソ熊本さんにはそう思い入れのある選手はおらず。平川怜がFC東京つながりなぐらい。
今回は書く事を他に費やしたいので試合はあっさり。
キックオフと同時にトリニータが準備していた事が火を噴く。
相手FWのチェイスをひらりと躱す高木のロングキックを伊佐が納め朝陽へ、朝陽を追い越す弓場からのグラウンダーに中川が潰れた所に伊佐!試合開始30秒を待たずにトリニータ先制。試合前仲間に「伊佐がゴール決めたら泣く準備は出来てる」と宣言してた管理人もあまりの速さに楽しさの方が前に来て全然泣けず。
試合に関しては前半はトリニータが準備してきたことを見事に結実させ、あともう一押しが決まっていたら試合をものにした印象。ロアッソも愚直に積み上げてきた事を徐々に発揮し、その結果を87分に結びつけた。前に出るしかないトリニータの裏をとりロアッソが逆転。長沢も投入しパワープレーで同点に追いつくもタイムアップ。負けてはいないがルールに負けてトリニータのプレーオフ終了となった。
【ロアッソ熊本さん達】:
えーと...負け犬の遠吠えと思って聞き流して下さい。ロアッソさんへの恨み節を言わないとやりきれんのですよ。
※J1参入プレーオフといういのに「白岳」サンクスマッチとか設定しないで。プレーオフってもんはもっと殺伐としとるべきだと思うのよ。そら白岳は美味しいよ。熊本対策飯で、プレーオフ前は毎日飲んだよ。けどなぁサンクスマッチにしちゃうのはどうよ。
※試合開始前に熊本城のゆるキャラ持ってきて、変な音頭踊らせないで。プレーオフってもんはもっと殺伐としとるべきだと思うのよ。そらロアッソくんとニータンが躍るのは可愛いよ。けどなぁゆるキャラに音頭踊らせるのはどうよ。
※試合開始前に運営がチャントのリズムを大画面で周知するのはどうよ。しかもスネアいらないし、スネアが入る事で叩くリズム掴めんし。
※個人的な趣味趣向に過ぎないのですが、ゴール裏のチャントで日本代表と同じ奴を使うチーム大嫌い。しかもこのプレーオフ初っ端のチャントが日本代表と同じってどうよ。
※会場運営どうよ。最終節俊輔見たさに2万人集まって少しはノウハウ溜まってるんでしょ。余りにアウェイ側とか整理だったりそういう人員が足りなかったよ。バイトの兄ちゃん一人だけってないでしょ。待機列の折り返しの整理なんか『えのきず姐さん』が仕切ってたよ。まだ温厚なトリサポとかなら良いけど、レッズサポなら暴動起きるよ。J1行きたいならその辺ちゃんとして。
※大木さんは、今まで熊本で積み上げてきたものを変えずに真っ当に、猪突猛進でぶち当たってきました。最後はその積み上げたものの確かさで負けたような気がしています。
【トリニータ選手たち】:
高木:プレス慣れという点で先発したのかな。先制点のシーンのマタドールっぷりに惚れました。
三竿:トリニータの鉄人はこの試合も上下動を繰り返した。1年お疲れ様でした。ゆっくりと休養をとって欲しいと思います。
ペレイラ:相手のワントップにボールが納まるのを阻害できず。けど意地の同点ゴールを決める。
小出:気迫あるDFをみせる。たった1回のミスが失点に直結するけどそこはしょうがない。
弓場:今年一番の成長株はこの試合でも躍動。先制点の追い越し素敵だった。
保田:運動量を買われスタメン起用。90分プランを完遂。原石。
朝陽:先制点のぬるぬるドリブル、ロングスローと持ち味発揮。
健太:相手に警戒されるもそれを上回る動きもみせる。
中川:この戦術の肝。運動量を惜しまぬチェイスで刈り取ったボールが前半2回ほどあったがあの展開から決めたかった。
ノム:気持ちはのってた。観客に対するレスポンスは流石。
伊佐:ここ一番での起用に応える。勝てばヒーローインタビューがは伊佐だったと思うと残念。万全でない体調ながら気迫でボールの基点に。
夢生:伊佐の活動時間が決まっていたかのような交替だが、ワントップ起用はいただけない。相方が必要だった。小競り合いは気持ちの強さの証....と擁護しきれるののではない。
ネット:ナチュラルボーン縦パスマシーンにパス対象がおらず。
新太:気迫のこもったプレーも、チーム全体の連動とならなかった
藤本:短期間でどうこうできる飛び道具ではない。88分の起用からみて極力使いたくなかったんじゃなかろうか。
長沢:使用時間が限定されていたとは思う。切り札投入も長沢用のボールは配球されなかった。
【その他】:(今日はここがメイン)
※チームとして準備してきたこと、監督は相手のストロングポイントを消す戦術、そしてそれを遂行する選手。87分までプラン通りだった。チームとして打つべき手はうったし、準備できてた。ワントップをポストにして、前線からチェイスさせる戦術には伊佐が最適。
※しかしレギュレーションとはいえ引分で勝ち上がれなかった原因は
①大正義也真人の離脱
②逃げ切るカード、守りを固めるカードの不在
③伊佐の交替枠
④ペレイラが相手トップとの一対一に負け続け基点が作られた
ことかなぁ。①は死んだ子の歳を数えるみたいで嫌だけど、あの時点での離脱が猛烈に痛かった。②はプラン通りにはいっていたけど、中盤前線の消耗が激しかったから投入はもっと前でも良かったかも。冷静に中盤や守備陣を落ち着かせるカードがベンチにはなかった。③は伊佐がプランを完遂してただけに、交代で夢生だったのか?夢生のワントップが機能しない答え合わせを数試合前にやったのではなかったか。サムエルがベンチに入れなかった理由もあるとは思うけど、伊佐の交替枠ならサムエルの方が機能したと思う。夢生はここ数試合の出来を思うとどうして夢生を使うのかは少し疑問。この夢生より控えメンバーがもっと劣るという判断なのだろうか。④は相手を褒めるしかない。相手FWが基点を作り続けたので熊本の良さがジワジワと浸食してきた感じ。
※結局、あと一押し、本の少しの精度、個の強さが満たされなかった、チームとして積み上げられなかった結果がこのプレーオフだったかと思う。最終節の沖縄で敗戦でなくドローだったら、シーズン中盤で波にのりかけた後の失速した試合、シーズン序盤の熟成不足。一つ一つが積み重なり、僅かに届かぬ位置だったんだろう。
※コレオといい、手作り旗といい。この1戦を盛り上げる為に、誰よりも早くきて準備をし、誰よりも遅くまで片付けをする。ゴール裏の雰囲気のベクトルを合わせる、サポクラの皆さんがいなければこれだけ集中できる事はなかったです。BUSTAやトルシーダ、そしてトリセドールこのくらいしかサポクラの名前を知らない、ぬるトリサポですが感謝の気持ちを。この試合に関しても準備はしたけど実行に移していない企画とかいろいろ準備されてました。そしてこの日の選手ダンマクの貼り方かっこよかったと思います。そしてこの試合に限らず、トリニータのゴール裏を埋めて声を出した皆さま。その他の席で手拍子を強く叩いてくれた皆さま。本当にご苦労様でした。トリニータのJ2での航海はまた来シーズンも続きます。また来年もドームでお会いしましょう。
※それはそれで最後の選手挨拶の時のひと悶着について....
人の思いには強弱があります。同じ大分トリニータをサポートしても、全てをトリニータに捧げているかのような人、大分トリニータさえ存続していればJ2やJ3で構わない人、単に選手個人を応援している人。いろんな立ち位置の人がいます。僕はどちらかと言えば、J1だろうがJ2だろうが応援する対象がそこにあれば良い立ち位置です。そりゃ強ければ越したことはないです。でもチームを思うに、チームを強く大きくするにはJ1に戻るべきだと、J1復帰が必須だと思う人たちもいます。今年、経営状況をかなり圧迫しても選手が残り戦ってくれたのはJ1での分配金ありきの話だったと思います。そして今年一年ではJ1復帰がかなわなかったという事は、この日闘ってくれた選手が全員来年揃う事ではないのです。皆で来年闘う為にはJ1復帰しか道はなかったのです。頑張った選手たちに「強くなろう」「下向くな」「ようやった」とは違うんじゃないか、その選手は来シーズンいないかもしれない。
当事者のこーへい君にも話を聞いてみました。彼はJ1昇格ができなかった事を前提として、シーズンを通して勝てる試合で勝てなかった事、そしてそれがこの事態を招いた事を問ったと思います。別にこの試合に気持ちが見えないとかは言っていない。けど選手はこの激闘の上での問いかけなのでカチンときたのでしょう。誰もあの試合で気持ちがこもっていないなんて言っていない。
こーへいくんも伝え方言い方が悪かったと反省していました。サポクラ内部でも言われたそうですが、あの選手挨拶に並んだ選手に一人でも大分トリニータに残留する選手がいるのであれば、来年に向けての言葉を選ぶべきだったと思います。結果は残らかったけど、シーズンを通して僕らと戦ってくれた選手にまず感謝の言葉で始めたかった。大分FC内部の人とも後で会話したようですし選手にちゃんと伝わる事を信じたい。
きっと選手だけが何か足りなかった訳じゃなく、ゴール裏の僕たちの声援、スタンドを埋める人たちの手拍子とかも含め、ほんの少し足りなかった結果じゃないかと思っています。
※さて、この結果で大分トリニータは冬の時代に突入すると思っています。今年のメンバーが去り、また一からチームを作り直さなければなりません。その作り直されたチームには僕たち今年応援した選手はいないかもしれない。また新たなメンバーでJ2を闘いながら旅をするのです。
※この記事が公開されるのが11/1。トリニータがナビスコ杯をとったあの日。あの日から14年、トリニータと共に旅を続ける我々にトリニータはいろんな光景を見せてくれました。J2/J3陥落、J3優勝、J1昇格プレーオフでの勝利、天皇杯の決勝。今シーズンはJ1参入プレーオフでの敗退という景色を追加してくれました。また来シーズンどんな景色を追加してくれるのかすでにワクワクする自分がいます。やったりましょう、またみんなで。まずは「いわき」あそこにはいってみたい。待ってろ「いわき」!待ってろムキムキ。
※あと蛇足ではありますが、今年も『生眼Awards2022』やります。現在準備中ですのでしばしお待ちを!
はじめまして。
返信削除以前から拝読させて頂いております。詳細が知れて良かったです。
私もあのプレーオフの現場に居合わせていたのでプレーオフ独特の殺伐とした空気感からすると、あのようなすれ違いが起きてもおかしくはないな、と思います。ただそこからの修正が可能なチームが地方クラブの良さであり、トリニータだとも思います。鳥脳さんの言う通り来年は厳しい戦いが待っていると思いますが企業、選手、サポーター各々が自分に出来ることを突き詰めていけばなかなか面白い結果が待っているのではないかと、一人妄想しております。
僕らの予想をことごとく上回ってくれるトリニータが大好きです。
お読みいただきありがとうございました。
削除>僕らの予想をことごとく上回ってくれるトリニータが大好きです。
素敵な言葉だと思いました
トリニータのコレオのときにロアッソサポーターから歓声と拍手が起きてたのを知ったら発狂しそうですね。殺伐なんてなくても楽しい試合でした。エンジョイフットボール
返信削除お読みいただきありがとうございました。
削除僕も楽しい試合だったと思います。