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ボン・ヴォヤージュ

  もうそろそろ、今シーズンという「旅」が終わろうとしている。


 『勝点55、6位以内』の目標を掲げて、2020シーズンの旅を始めた大分トリニータだけど、期待された攻撃陣は大きく伸びず、残り3試合を全勝しても目標には届かない。

 僕はそれが悪い事だと、駄目だったという訳ではない。

 コロナの影響で、今シーズンの在り方はとても難しかったと思う。


 過密日程、観客の減少、変則的なレギュレーション....どれをとっても難しいシーズンだったと思う。


 また僕たちサポーターと、フォットボールの関わり方も大きく変革したシーズンだったと思う。隣同士でゴールの喜びを分かち合う仲間もおらず、チャントを大きな声で謡うこともできず、遠いアウェイの地まで出かける事もできなかった。

 ホームやアウェイの試合をテレビの画面を通して眺める事が多くなり、ホームのスタジアムに行っても、誰かの野次を気にすることなく静かに試合を眺め、手拍子だけで応援するのも悪くないって思い出している自分が少し怖い。

 東京から讃岐まで車で向かったり、北海道へ日帰り観戦を計画したりした頃の、サッカーに対する熱量を今後取り戻せるのか不安になる。


 今シーズンの旅も終わりに差し掛かった今、来シーズン船を降りるメンバーが発表された。


 三平和司選手 契約満了のお知らせ(トリニータ公式)


 

トリニータを語る上では外せない三平が契約満了。

 三平的なノリは僕的には少し苦手だけど(決して僕にはああいった行動はできない)、ピッチ内外で三平節を披露してくれた。

 いったんは京都に札束で顔を叩かれ移籍も、再び大分に舞い戻ってくれた。最初の頃の得点嗅覚に溢れたFWから、他もつかえるこれぞトリニータのシャドーをやれる選手に成熟してくれたと思う。今シーズンの不調の時でも、三平や伊佐が出場時には、J3から積み上げてきたトリニータのサッカーが思いだされて、チームに不可欠な存在だと思ってた。まだまだやれる、他のシャドーの選手にない三平ならではものを感じ取れていただけに残念。


 三平で一番思い出に残っているのは、2018年のアウェイ千葉戦。シュートでパンツがめくりあがったのをコミカルな動きで笑いにしていたのが印象的。あんなんごっちゃんにはできなかったと思う。

 来シーズンの居場所はどこになるか判らないけど、産まれて数か月の子供とテレパシーできる三平のこと、どこにいってもやっていけるよ。


 最後に

 「三平!三平!踊る君を見てる」

 というチャントを最初に

 「三平!三平!踊りながら見てる」と覚えてしまい、随分と気持ち悪いチャントだなぁと思ってたのはすまんかった。




 星雄次選手 契約満了のお知らせ(トリニータ公式)



 星くんはいつもずるい笑顔を浮かべていた。


 伊佐に無茶振りされたり、困った質問にも、ずるい笑顔だけで応えていた。Vファーレンのヴィヴィくんにも負けないあざとさ。

 僕は星のプレーが好きだった。大外のレイチェルへのパス、レイチェルからパスに大外から走りこむ姿。

 きれきれの田中達也も凄いけど、チーム全体の攻撃スイッチを入れる星の攻め方が好きだった。


 きっとああみえて内には熱いもんを持ってるとみている。あざとい笑顔だけで、このリーグを渡れるほどサッカーは甘くはない。

 星のサッカー人生で、J1でのゴールを記録させてあげたかった。残り3試合、出れるかどうかは判らないけど得点決めよう。




 前田凌佑選手 契約満了のお知らせ(トリニータ公式)h



 ま白い肌。整った顔立ち。そしてうざいぐらいのボケ。


 三平と同じく得意なノリではないけど、振った方からするとちゃんと計算通りのボケ、僕は本質的に真面目で必要とされたことを一所懸命こなすタイプだったんだろうなぁと思っていた。


 プレーもそう。足が速い、屈強な体躯、素晴らしい足技....があったとは思えないけど、相手の嫌がるポジション、相手の届かないポジションにきちんと移動して、ボールの出し入れに参加する動きは素晴らしかったと思う。まだ若いんだし、前田のプレーを必要とするチームは必ずある筈。新天地での活躍を祈っている。


 前田で一番印象に残っているのが2019年の第3節アウェイジュビロ戦。川又へのボールデッド後のアクションで、川又に詰め寄られるも、凄いおちょけた表情をしたシーン。あんな度胸は僕には決してないよ。




 小手川宏基選手 契約満了のお知らせ(トリニータ公式)



 コテ...。


 2007年に2種登録、2008年に清武、井上裕大、石田とともに入団。ちなみにこの『生温かい眼』をSpoNavi+で始めたのが2007年。密かに同期だったんだよ。


 同期の井上裕大も現役引退らしいし、もうそんな年齢なんだけど、リンク先の挨拶を見る限り、引退する気はなさそうなので少し安心。

 いや冷静に考えて、清武・小手川・井上裕大がいたユースは強かったろうなぁ。


 同期で日本代表まで上り詰めた清武は、ある意味尖った天才であって、小手川は丸い天才だったと思う。全ての能力が高く、サッカーIQもチームで一番だったんじゃないかと思っているくらい。時折魅せる「エロさ」満開のプレーをいつまでも忘れないでおこうと思っている。



 まだ、今シーズンは3試合残っているし、誰も次のチームが発表されている訳ではないけれど、12/12のホーム最終戦では今後の活躍を祈って大きく拍手をおくりたいと思っている。

 それぞれのチャントを力強く心の中で叫びながら、4名の今後の旅の成功を祈っている。

 ボン・ヴォヤージュ

大分トリニータ2020 8240778615754578521

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