雨中の逆転劇【J2第24節:vsジェフユナイテッドお犬様】
「適材適所」
その人の能力や才能、資質などを考慮して、適した部署や任務に配すること。元々は家を建てる際に、木材を用途に応じてその種類を使い分ける所から来ているそうですが、ポスト適正のない選手をワントップに使い、ポスト適正のある選手と同じ様に使ってもそら適材適所ではありませんな。ちなみに「適材適所」の似たような4文字熟語に「黜陟幽明(ちゅっちょくゆうめい)」、反対の意味としては「驥服塩車(きふくえんしゃ)」という4文字熟語もあります。
という事で先週末のジェフユナイテッドお犬様との第24節。ポイントは長沢との交替ではなく、呉屋と新太の交替だった所にあるんではないかと思う管理人こと鳥脳です。
うちの2ndトップというか1トップの左右にいる両トップ下って、中盤まで下りたり、前線に詰めたりとボール回しリンクマン的役割も多く、呉屋をあの位置で長時間使ったら普段のやり方では破綻してたと思うのです。攻めている状態で投入され、投入直後はほぼFWみたいな役割で試合に入れたのは大きいと思う。
この時期のリーグ戦はほぼナイトゲームなので、居住地からの移動は楽ちん。昼前には大分についてDONでDON焼きを食す。もう40年食べに通ってるけど、相変わらずの美味さ。マスターも高齢なので、これを食す度に「僕の人生であと何回DON焼き食べれるかなぁ」と思う。
開門前にドームへ移動。
この日出店していた「杵屋」さんの「ピーナッツ餅」と「おこわ」を初購入。おこわは開門後にスタグルで消費。想像通りに美味かった。本日の対戦相手のお犬様んちことフクアリではピーナッツソフトが大変美味なのですが、ピーナッツ餅もそれに引けを取らない美味しさでございました。ごてごて生クリームだの乗ったり入ってたりするより、こういうシンプルに美味しいものって最近中々ないのでうれしくなり1袋完食し、デブまっしぐらなのは内緒の方向で。
さて試合。トリニータの布陣は以下の通り。
ワントップに長沢、ツーシャドーに新太/中川、左サイドに藤本、右サイドに健太。ダブルボランチに下田/保田、DFラインは左から三竿・坂・上夷。GKに高木。ベンチスタートは西川、小出、野村、司、朝陽、弓場、呉屋ん。
対するお犬様は正GKと熊谷アンドリューさんが赤いのとか黄色いのとかの影響でお休み。トリニータ関連では風間ぐらい。あと刀根似の川又堅碁さんがベンチにいるのにびっくり。川又さん今千葉なのか...川又さんに「殺すぞ」と殺害予告されたのはまえりょ(現愛媛FC)でしたっけね。
試合開始。
前節熊本戦で、ボロボロになりながらも勝ち切り今後が楽しみ!...と思わせたトリニータ。...こういう良い試合(内容とか結果とか)の後の「ここぞ!」って所で「糞試合」を披露する体質というか性癖というかがあるトリニータ....案の定、試合の入りから後半60分までがっかりな内容を披露。ほんともうあれだけ前記事で書いたのに...下平さんは弊ブログを読んではいないのか(普通読まない)。
トリニータはパスコースがなく、苦し紛れのロングボールも相手に拾われまったく良いとこはなし。
ブワニカ啓太さんと櫻川ソロモンさんという外国人枠にみえる日本人枠の圧に苦しみ、前半15分には失点。これも崩された訳ではないけど、セットプレーのこぼれ球がコロコロと。
前半は良い所がまったくなく終了。ハーフタイムに「だからあれほど...orz」とがっくりな管理人。ハーフタイムの後援会抽選で通算2回目の豊の出汁が当選。
ハーフタイム:保田→弓場
後半開始後も似たような展開が続き、パスミスから櫻川ソロモンに決められ、もうがっくし。
55分:健太→朝陽
55分:中川→野村
このあたりから潮目が微妙に変わる。まったくもって不発だった健太の右サイドが活性化。左サイドからのクロスの数も増える。
後半61分。藤本から、もうぜんと長い距離を走ってきた三竿に。三竿のセンタリングも見事すぎたし、抜群のポジショニングの長沢がヘッドもまた見事なり。トリニータ開始60分でやっと1点を返す。でも30分あれば追いつく事は不可能じゃない。サポの手拍子が一体となり強さも増す、そして反撃の狼煙があがった。
78分:新太→呉屋
この投入の直後に千葉は逃げ切りを決断。風間を米倉さんに替えて5バックに変更スペースを埋める作戦に。
後半83分。上夷からのロングフィード長沢が納める。直後に長沢へのファールがあったが審判がアドバンテージで流すと、下田から藤本へのスルーパス。相手DFにクリアされかかるもボールは上へ。これにつられて千葉のDF陣が皆ゴールに張り付くに行く中、ボールはあざ笑うが如くポストにあたり、トリニータFW呉屋の位置に跳ね返る。誰よりも早く反応していた呉屋は一瞬背中をのけ反らせ、強くヘッドでゴールへ。トリニータ終盤も終盤で追いつく。爆発するゴール裏、そしてこの前後から降り出した雨。雨中の同点劇に手拍子が更に一段と強くなる。観客の「いける!」という前向きの意思とかベクトルとかが一体化して、選手の背中を押す感覚が。
85分:藤本→司
スタンドのボルテージは更に上がる事になる。後半86分。相手のパスミスを長沢が納め、早いタイミングで前線を駆け上がっていた呉屋にパス。呉屋は冷静に相手DFを利用してGKのブライドを突くシュート。軽いカーブを描いてボールはサイドネットを揺らす。トリニータ遂に逆転。ゴール裏へ駆け寄る呉屋、控えの選手もコーチも集まってきて喜びの輪ができる。輪がとけピッチに戻る呉屋は、もう一度ゴール裏を向いて吠える。
ロスタイムの5分が経過し試合終了。サッカーの試合は3-2が一番面白いは定説だけど、前半のあの出来から、結果として勝利で終わるこの試合に、サポはスタジアムから笑顔で帰ったと思う。
【ジェフユナイテッドお犬様たち】:
※常々このブログで書いている事だけど、あれこれ文句はつけているが管理人はジェフユナイテッド千葉というチームが好きだし気になるチームである。オシム時代のジェフが好きなのはもちろんの事、実はスナイデル時代のハイライン素パスタ時代がとても好き。好きならスナイデルを監督として使いたいかは丁寧にお断りする。
※試合後のインタビューの尹晶煥。見事な日本語。しかもこの試合内容と結果でインタビューが本当に悲しそうなのが凄い。「ココロガイタイデス」っていうとった。
※心が痛い尹晶煥だけど、トリニータにリードされるまで、選手交代枠を1枚しか使わなかったのが謎。ロスタイムに2人を2回の都合4人の選手を投入したけど、ロスタイムも消費するしトリニータもメリットあったと思う。しかしほんと何故そこまで選手交代しなかった(できなかった)か謎。そんなにベンチメンバーを信頼できないメンバーだったのかしら。
※土曜のナイトゲームだし、遠征にはもってこいだと思うんだけど、そこまで期待していた程のジェフサポさん来襲にはならず。もしかしてそれなりに来ていたのかもしれないけれど、サポがあまり密集せず分散するしてたからなのかなぁ。そういう所だぞJ2を飛び出していけないのは。
【トリニータ選手たち】:
高木:相変わらずボールに馴染んでいない。あと飛び出しのタイミングがちょっとずれてるというか反応が鈍い気がしてるが、気のせいだと思うことにしてる。
三竿:三竿さんの攻撃クオリティがトリニータの生命線。精度の高いクロスを量産。三竿さん抜きのトリニータは想像ができないから、怪我だけは気を付けて。
坂:頑張ってる。加入当初の不安感のある坂はもういない。この位置やれるのは坂しかいないという使命感と責任感が感じ取れるくらい。
上夷:これが試合勘というものなのか、トリニータサッカーへの順応を感じる。
保田:パスミスが何度か。がこれも経験。伸びしろしか感じない。
下田:シーズン序盤の全盛期と比較すると少し出来が悪いが、ここぞのシーンでのプレー精度は流石。
藤本:役割を全う。しかける姿勢を見せるの大事。
健太:相手に研究されてきたのか、浪漫感じるシーンはほぼなし。もっとぶっちぎってええんやで。
中川:もう少しサイドと連携した突破がみたかった。
新太:苦闘。この日は新太の日ではなかった。
長沢:反撃の狼煙となる。他にも惜しいシーンがいくつか。きちんと攻撃の基点として機能する。
弓場:利き足問題で下田との共存は無理かと躊躇させるも、出場したら抜群の運動量で杞憂に。まぁ右利き同士のボランチもいるから左利き同士のボランチがいてもおかしくはない。
朝陽:健太にはなかったサイドの突破を生み出す。一度スタメン朝陽で交替健太もあり。
野村:抜群の保持力で攻撃を活性化。
呉屋:天皇杯のPKでケチャップの蓋が緩む。試合後挨拶のはっちゃけ具合を見るに、相当嬉しかったんだろう。
司:投入直後に勝ち越すラッキーボーイ。
【その他】:
※勝利とは不思議なもんで、前半終了時あれだけ管理人は腹を立てていたのに、満面の笑顔でスタジアムを去る不思議。
※朝日のシュートシーン、ゴール裏からの視点ではむっちゃゴール割ってると思ったけど、主審・副審からは見えなかったんやろうなぁ。朝陽はゴールにカウントしても可。
※下平さんのインタビューで「うるさいな...」というくらいバックヤードで貼っちゃけてた模様。まぁ伊佐stagramみてれば納得する。それくらいのテンションの高さでピッチから全員引き上げてきた。
※ジェフサポさんのブログで「ピチパンのコーチ」と表現されるけど、あれが大分名物「滝二コーデ」。
※雨中の逆転劇はむっちゃエモかった。
※正直言って戦術変更とかでなんとかなった試合じゃない。運よく相手のパスミスだったり選手の投入タイミングとシンクロしただけ。「雰囲気が良い」だけでかたずけたくはないなぁ。
【選手投票】:
当然呉屋んが受賞。次点は弓場くんってのがトリサポのサッカー観の充実さを感じる。
【おまけ画像】