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スパイディとワンダーウーマン【スパイダーマン:ホームカミング】【ワンダーウーマン】

仕事を選ばないことでは定評のあるキティさん

 えーと...管理人こと鳥脳は基本的に「淀川長春原理主義者」です。観た映画に良いシーンがひとつでもあれば、そこを褒める。それが例えゆで卵の殻を剥くシーンだったり、椅子の背もたれの上に座るシーンだったりだとしても。まぁ映画に限らず、対人でも人生観でも基本加点法なんです。決して減点法ではないと。

 最近観た映画を備忘録がわりにレビュー。

 まずは『スパイダーマン:ホームカミング』


 最初にスパイダーマンの映画的歴史にちょっと触れると、まずサム・ライミ監督の3部作『スパイダーマン』『スパイダーマン2』『スパイダーマン3』があってこれが2002年~2007年。ひぇぇ、もう15年前なんか。正調サム・ライミ節というか、すこしばかしダークな印象とか哀しみが溢れ出て止まらない(いだれだれだれおー)。基本のスタンスは「大いなる力には、大いなる責任が伴う」。トビー・マグワイアがスパイダーマン/ピーター・パーカーが演じてて管理人的には好きなシリーズだった。唯一の難点はヒロインMJことメリー・ジェーン・ワトソンを演じるキルスティン・ダンストが可愛くないことぐらい。
 元々はサム・ライミ監督で6部作ぐらいを計画していたけど諸般の事情で3作で終了。
 すると製作元のSONYはスパイダーマンのリブートを宣言。マーク・ウェブ監督の元『アメイジング・スパイダーマン』が1・2で作成される。アンドリュー・ガーフィールドが主役でMJは可愛かったもののサム・ライミ版を凌駕するまではいたらず『アメイジング・スパイダーマン2』で次回作への継続が示唆されたものの『アメイジング・スパイダーマン3』は製作されず。

 元々マーベルコミックは経営難の時代があり、ヒーローの映画製作権をばら撒いている時期があった。スパイダーマンはSONYへ売却。アイアンマンあたりから、いろんなヒーローが関係する世界観である『マーベル・シネマティック・ユニバース』を立ち上げ、その企画を自らの映画部門「マーベル・スタジオズ」が買いアヴェンジャーズに続くシリーズが製作される。スパイダーマンの権利を持つSONYとマーベル・スタジオズが提携を結んだことにより、スパイダーマンも無事『マーベル・シネマティック・ユニバース』のシリーズに属する作品として取り扱われるようになった。

 よって、この『スパイダーマン:ホームカミング』は『キャプテン・アメリカ/シヴィル・ウォー』の後日譚となっており、アイアンマンとの絡みが実現している。

 前2シリーズと違ってピーター・パーカーがスパイダーマンになる下りが一切無く(つまり第1作なのにスパイダーマンになった経緯とか誕生秘話とかがなく、最初からスパイダーマンとして存在してる)、逆にその部分をストーリーを掘り下げる部分として使えるので物語としての深みを演出できたと思う。

 ネタバレ以外の感想として、悪者(ヴィラン)をマイケル・キートンが演じたことが素敵。昔の「バットマン」が「バードマン」を経てヴィラン・バルチャーをやるなんてね。演技が素敵で、単なる悪者ではなく、家族思いで仕方なくこうなった部分(原因のひとつはアイアンマン/トニー・スターク)とかを絶妙に演じている。

 主人公のスパイダーマンも、原作のスパイダーマンに近い。「親愛なる隣人」な存在。軽口を叩きながらの行動とかも。トニーがプレゼントしたスパイダースーツに殺傷モードがついていても決して使わない。

 良い作品だったと思う。
 この映画は大分帰省のタイミングでパークプレイスのレイトショーで鑑賞。まぁお盆時期だし、公開からある程度たってることを差し引いても、観客4人はないよなぁ....大丈夫?大分の映画館。

 ちなみにマーベル出たがりおじさんことスタン・リーは、スパイダーマンが車泥棒と間違えた人の隣人役。


 続いて『ワンダーウーマン』


 マーベルと米コミック界を2分するDCコミック側の作品。
 マーベルの『マーベル・シネマティック・ユニバース』に対抗し、『DCエクステンデッド・ユニバース』なる世界感で、スーパーマンやバットマンと「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で競演済み。

 ガル・ガドット演じるワンダーウーマンの第一次世界大戦の頃の活躍を描くと最初に聞いた時には「イマイチなんじゃね?」とあまり食指が動かなかった。しかし、米公開後の高評価とか女性監督としての興行成績記録の塗り替え等のニュースで、日本公開3日目に鑑賞。日曜日のレイトショーながら結構な客の入りでした。

 ちょっと敵役がどうかなぁ...って部分を除けば良い作品だったと思う。いかにガル・ガドットを綺麗に見せながら戦わせるかの部分に考慮している雰囲気。昔のTVシリーズのリンダ・カーターとは違い、あんなスタイルの良いお姉さんが強そうに見えるのも納得。

 あと相手役のクリス・パインもなかなか良いっす。始まってしばらく「この兄ちゃん、どっかで見たなぁ」って思っていたら、ある瞬間「あ...新しいスタートレックのカーク艦長か」と気がつく。なかなか良いっす。

 んで前の「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でも書いたけどハンス・ジマーのワンダーウーマンのテーマが素敵。

 今年の11月くらいに公開予定の「ジャスティス・リーグ」が楽しみでしょうがないっす。


 以下ネタバレを含むので要注意














【スパイダーマン:ホームカミング】
※えーMJなのあの子
※叔母さんセクシー
※最後のスパイダースーツはアヴェンジャーズ4で使われるんすか?あんまりハイテクなスパイダースーツもちょっとですけど、蜘蛛に噛まれただけでお裁縫が上手くなってスパイダースーツを作れるのもちょっとですもんね。
※ちょっと説明が不足な部分もあって、どうしてピーター・パーカーの高校が、反逆者になってしまったキャプテン・アメリカの指導画像を流しているかとか(キャプテンアメリカの仲間だった日系人の仕損が校長)。
※結局スパイダーマンが糸をひっぱり民衆を救うシーンは入るのね(この作品ではフェリー真っ二つのシーン)
※TVCMなんかで使われていたシーン(スパイディとアイアンマンの横並び飛行シーン)は一切なかった。

【ワンダーウーマン】
※いろいろと説明が不足。真実しか喋れなくなる縄の事とか。あの島の仕組みとか、一般社会に出たら戻れないとか。
※あの腕輪というか篭手とか、盾とかの能力ってワンダーウーマン理解してんのか。
※その他諸々の粗があるんだけど、ワンダーウーマンが神なんで全部許されている模様。DCのヒーローにかかわらずチートすぎるヒーローってあまり好きになれない。スーパーマンも宇宙人ってことで神様に近い存在だし、そんなんと付き合う単なる変態金持ち一般人のバットマンも苦労するわな。マーベルでいうとマイティ・ソーとヴィジョンとか。
※だから相手ヴィランの選定も難しい。神の相手役って結局神持ってくるしかないんだもの。...にしてもアレス弱すぎ。
※IMAX 3Dで鑑賞したけど、3D部分でちょっとちゃちく見えちゃうシーンが何カットか。ジャスティス・リーグでない事を祈る。
※クレジット終了後にジャスティスリーグへの布石がなんかあるかと身構えるが普通に終わってがっくし。
※ガル・ガドット以外綺麗なお姉さんは一人も登場せず。
※剣壊れたけどジャスティスリーグでも使ってるよね。
Cinema 9113581975749092696

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